受動喫煙とは、喫煙者の周囲の人が、自分の意思とは無関係に環境たばこ煙に曝露され、それを吸入することである。ときに「間接喫煙」、「不随意喫煙」、「不本意喫煙」ということもある。対義語は能動喫煙。
環境たばこ煙とは、副流煙と、呼出煙が混じり合った煙である。
副流煙は主流煙よりも多くの有害物質が含まれており、非喫煙者であっても喫煙者の煙を吸うことで、健康に悪影響を及ぼす危険性が増大する。
医学界での研究の進展
1939年、ドイツのフリッツ・リキント医師が、初めて“passive smoking”の語を用いた。しかし最近では、“environmental tobacco smoke”、“secondhand smoke”などがよく用いられる。
受動喫煙と健康に関する疫学研究は、1960年代後半に初めて発表された。総括的には、1972年に米国公衆衛生長官報告書「The Health Consequences of Smoking: A Report of the Surgeon General」が初めて、受動喫煙を健康に対するリスクとして認定した。
受動喫煙と健康に関する研究の初期の頃は、親の喫煙による子の呼吸器への影響に関してであった。その後1981年、受動喫煙と肺癌の関係に関する最初の大規模研究3報が、 平山論文を皮切りに次々と発表された。その後もいくつかの研究が発表され、1986年、これらの諸研究を総合評価することによって、3つの別個の公機関が、受動喫煙を肺癌の原因と結論した。その後も数々の研究が、受動喫煙を原因とする新しい疾患を同定したり、受動喫煙の副作用の発見を報告したりした。1993年、米国環境保護局が環境たばこ煙に対する危険度評価の最終報告書「受動喫煙の呼吸器系への健康影響:肺がん及びその他の疾患」において、ETSをグループA発癌物質と分類した。
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